鎌倉・室町・江戸を通じて政治力を支配してきた3つの政権は、どれも「幕府」と呼ばれるようになった。しかし、「幕府」はどの時代にも決まっていない。田口卯吉が「鎌倉政府」と記したことがあるのは、何を意味していたのか。
「幕府」という言葉が明治初期に誕生する前、武家政権を表す用語として登場したことは事実だ。しかし、その後定着しなかった。田口卯吉が「鎌倉政府」と記したことから、武家政権の呼び方が変わったのかもしれない。
明治国家は、アカデミズムで脱亜入欧を目指していた。つまり、「幕府」は、王政復古で生まれた政治思想にもなっていた。中世武士論の専門家が調べた「幕府」は天皇と武家との歴史的な因縁に彩られたものだった。
『 〈幕府〉の発見』は、これまでの日本近代史を通して、「幕府」という用語への問いかけを通し、変遷を描写する本だ。政治力を支配してきた3つの政権の歴史を調べた結果、「幕府」はどのように生まれたのか、そしてその後どうなったのか。これが本で示すものだ。
				
			「幕府」という言葉が明治初期に誕生する前、武家政権を表す用語として登場したことは事実だ。しかし、その後定着しなかった。田口卯吉が「鎌倉政府」と記したことから、武家政権の呼び方が変わったのかもしれない。
明治国家は、アカデミズムで脱亜入欧を目指していた。つまり、「幕府」は、王政復古で生まれた政治思想にもなっていた。中世武士論の専門家が調べた「幕府」は天皇と武家との歴史的な因縁に彩られたものだった。
『 〈幕府〉の発見』は、これまでの日本近代史を通して、「幕府」という用語への問いかけを通し、変遷を描写する本だ。政治力を支配してきた3つの政権の歴史を調べた結果、「幕府」はどのように生まれたのか、そしてその後どうなったのか。これが本で示すものだ。