《五島列島キリシタン物語(後編)》
この旅を終わりにしたいので、この旅の後日談を紹介します。まず、上五島の中ノ浦教会と桐教会からスタートし、下五島へと渡るスケジュールで始めます。
上五島の中ノ浦教会は、ガスパル与作が治療のために長崎を訪れ、大浦天主堂でプチジャン神父と会い、五島のキリシタンたちをカトリック復活へと導いたとされています。教会建築としては珍しい高床式になっているのは湿気と雨への対策である。
次に、深浦港で車から海上タクシーに乗り換え、キリシタン洞窟へ向かいます。ここではリアス式海岸の厳しい岩場が続いていた。「この辺りにも潜伏キリシタンの集落があったんですよ。ほら、ここもそう」ガイドの方が指差す先もまた、ゴツゴツした岩の多い入り江で、こんなところに生活空間が築けるとはとても想像できなかった。
海上タクシーの速度が落ち、キリシタン洞窟に到着。ここは奥行き50m、高さ5m、幅5mの文字通りの洞窟で、かつて迫害を逃れるために信者が3ヶ月もの間身を潜めていた場所だ。煮炊きの煙が元で役人たちに見つかってしまい、彼らは拷問にかけられたという。この場所は今、カトリックの聖地となっている。
その先に「ハリノメンド」と呼ばれる、荒波の侵食でできた天然の穴にも連れて行ってもらいます。キリストを抱いたマリア像に見えるとして、注目されている場所だ。
海上タクシーの中でかくれキリシタンと出会います。ガイドの方が「私は370年間信仰を守るかくれキリシタンの大将(神父)なのです」と話し出して仰天した。なんでも、桐古里地区に今も40人ほどいる信者たちの9代目の大将で、クリスマスや復活祭など儀式がある時には自宅に信者を招き、皆で祈りを捧げるのだとか。その時に振る舞われる食事は坂井さん持ち。「大変だけど、先代である義父が大将だった時には300人ほどの信者がいて、もっと大変だったと思う。人に尽くせば神様が私を守ってくださると思うから『損な役回りだな』という発想はないなぁ」と微笑む。
次に、奈留島世界遺産ガイダンスセンターに向かった。ここでは江上天主堂をはじめとする「潜伏キリシタン関連遺産」が映像や展示で紹介されており、わかりやすい。入念に事前勉強を行った後、いざ、江上天主堂へ。
江上集落は18世紀末から19世紀初頭に外海(長崎市)から移住してきた潜伏キリシタンたちによって築かれた。人里離れた海辺の小さな谷間にあり、時折吹き付けてくる北風は冷たい。集落内にある江上天主堂は鉄川与助の設計によるもので、この地の風土に合わせたさまざまな工夫が施されている。
次に、久賀島を訪れます。久賀島は「五島崩れ」の発端となった島(「崩れ」は潜伏キリシタンの摘発と処刑を指す)。五島列島の中でも特に苛烈な拷問を受けた島だ。「牢屋の窄」がその代表ともいえる弾圧で、わずか12畳ほどの空間に200人ほどの信者たちが8ヶ月間監禁され、42人が殉教。
次は旧五輪教会を訪れます。木造瓦葺き平屋建ての和の外観であるものの、中に一歩足を踏み入れると美しいリブ・ヴォールト天井やゴシック風の祭壇が目を引く。聞こえてくるのはさざめく波音だけ。
次に、牢屋の窄殉教記念教会堂へ。「牢屋の窄」の跡地に建てられた聖堂で、内部には約200人の信徒が押し込められたという12畳分が絨毯で色分けされている。一見するとただの空っぽのスペース。だが、そこに秘められたあまりにも壮絶な苦しみを想像すると言葉を失ってしまう。
最後に、五島ならではのグルメスポットと、話題のリゾートホテルを紹介してこの旅を終わりにします。「焼肉 喜楽」は細い路地に入ったところにある五島牛専門の焼肉店。五島牛は飼育数が少なく、希少な黒毛和牛で、「幻の和牛」とも呼ばれている。柔らかな肉質とジューシーな旨みは一度食べると忘れられない味だ。
最後に、五島の海と山の景色を大迫力で味わうリゾートホテル「五島リトリートray by 温故知新」です。26あるどの客室からも海が臨める。食事は驚くほど新鮮な五島の魚介を中心に、創造性にあふれた和食を。忘れられない旅を提案してくれることは間違いありません。
この旅は終わりですが、五島列島キリシタン物語が読み物として残ることを願います。
この旅を終わりにしたいので、この旅の後日談を紹介します。まず、上五島の中ノ浦教会と桐教会からスタートし、下五島へと渡るスケジュールで始めます。
上五島の中ノ浦教会は、ガスパル与作が治療のために長崎を訪れ、大浦天主堂でプチジャン神父と会い、五島のキリシタンたちをカトリック復活へと導いたとされています。教会建築としては珍しい高床式になっているのは湿気と雨への対策である。
次に、深浦港で車から海上タクシーに乗り換え、キリシタン洞窟へ向かいます。ここではリアス式海岸の厳しい岩場が続いていた。「この辺りにも潜伏キリシタンの集落があったんですよ。ほら、ここもそう」ガイドの方が指差す先もまた、ゴツゴツした岩の多い入り江で、こんなところに生活空間が築けるとはとても想像できなかった。
海上タクシーの速度が落ち、キリシタン洞窟に到着。ここは奥行き50m、高さ5m、幅5mの文字通りの洞窟で、かつて迫害を逃れるために信者が3ヶ月もの間身を潜めていた場所だ。煮炊きの煙が元で役人たちに見つかってしまい、彼らは拷問にかけられたという。この場所は今、カトリックの聖地となっている。
その先に「ハリノメンド」と呼ばれる、荒波の侵食でできた天然の穴にも連れて行ってもらいます。キリストを抱いたマリア像に見えるとして、注目されている場所だ。
海上タクシーの中でかくれキリシタンと出会います。ガイドの方が「私は370年間信仰を守るかくれキリシタンの大将(神父)なのです」と話し出して仰天した。なんでも、桐古里地区に今も40人ほどいる信者たちの9代目の大将で、クリスマスや復活祭など儀式がある時には自宅に信者を招き、皆で祈りを捧げるのだとか。その時に振る舞われる食事は坂井さん持ち。「大変だけど、先代である義父が大将だった時には300人ほどの信者がいて、もっと大変だったと思う。人に尽くせば神様が私を守ってくださると思うから『損な役回りだな』という発想はないなぁ」と微笑む。
次に、奈留島世界遺産ガイダンスセンターに向かった。ここでは江上天主堂をはじめとする「潜伏キリシタン関連遺産」が映像や展示で紹介されており、わかりやすい。入念に事前勉強を行った後、いざ、江上天主堂へ。
江上集落は18世紀末から19世紀初頭に外海(長崎市)から移住してきた潜伏キリシタンたちによって築かれた。人里離れた海辺の小さな谷間にあり、時折吹き付けてくる北風は冷たい。集落内にある江上天主堂は鉄川与助の設計によるもので、この地の風土に合わせたさまざまな工夫が施されている。
次に、久賀島を訪れます。久賀島は「五島崩れ」の発端となった島(「崩れ」は潜伏キリシタンの摘発と処刑を指す)。五島列島の中でも特に苛烈な拷問を受けた島だ。「牢屋の窄」がその代表ともいえる弾圧で、わずか12畳ほどの空間に200人ほどの信者たちが8ヶ月間監禁され、42人が殉教。
次は旧五輪教会を訪れます。木造瓦葺き平屋建ての和の外観であるものの、中に一歩足を踏み入れると美しいリブ・ヴォールト天井やゴシック風の祭壇が目を引く。聞こえてくるのはさざめく波音だけ。
次に、牢屋の窄殉教記念教会堂へ。「牢屋の窄」の跡地に建てられた聖堂で、内部には約200人の信徒が押し込められたという12畳分が絨毯で色分けされている。一見するとただの空っぽのスペース。だが、そこに秘められたあまりにも壮絶な苦しみを想像すると言葉を失ってしまう。
最後に、五島ならではのグルメスポットと、話題のリゾートホテルを紹介してこの旅を終わりにします。「焼肉 喜楽」は細い路地に入ったところにある五島牛専門の焼肉店。五島牛は飼育数が少なく、希少な黒毛和牛で、「幻の和牛」とも呼ばれている。柔らかな肉質とジューシーな旨みは一度食べると忘れられない味だ。
最後に、五島の海と山の景色を大迫力で味わうリゾートホテル「五島リトリートray by 温故知新」です。26あるどの客室からも海が臨める。食事は驚くほど新鮮な五島の魚介を中心に、創造性にあふれた和食を。忘れられない旅を提案してくれることは間違いありません。
この旅は終わりですが、五島列島キリシタン物語が読み物として残ることを願います。