釧路地裁で「知床遊覧船」事故初公判 経営者の過失に疑問が高い「異例の裁判」
桂田精一(62)社長、運航管理者を業務上過失致死罪で告発され、12日初公判が始まった。知床半島斜里町沖のオホーツク海で2022年4月23日に起きた事故で20人が犠牲となり今も6人の行方がわかっていない。「KAZUⅠ〈カズワン〉」(19トン)に乗っていた船長54、甲板員27、および24名の乗客が同船で出航した。
午前10時ごろに出発し、知床岬付近まで航行し戻る約3時間のコースだったが午後1時すぎから、連絡が相次ぎまもなく途絶えた。事故調査報告書は船首甲板のハッチが確実に閉まらない状態で出航したと主張しており、波と風が強まる悪天候下ではハッチが開き、流れ込んだ海水でエンジンが停止したことを指摘した。
安全管理体制にも問題があったことや、天候の悪化を予想していない中での出航判断や通信設備の不備なども指摘された。「外海で操船した経験がない」という関係者の証言も記した。
旅客船の海難事故では多くの場合操船にあたる船長や航海士が責任を問われるが、桂田社長が過失責任を問われるのは初めてとなる。「異例の裁判」に多くの注目を集めている。
「多数の犠牲者が出た重大事案であり、世間の注目度が高く遺族の処罰感情も強いことから経営者の責任も問われる」と松村房弁護士は指摘する。桂田社長の管理監督責任を注目点に挙げて「事故調査報告書などでは、安全管理体制の不備などの面で被告の過失が多く指摘されている。管理監督責任を裁判所がいかに判断するかがポイントだ」と述べた。
海難事故の法関係に詳しい大塚裕史神戸大名誉教授は「経験の浅い船長が操船した船が沈没し、多くの犠牲者が出た。安全管理に責任があった桂田社長が航行中に事務所におらず、船と連絡が取れなかった。そのような状況をつくり、危険を回避できなかったことが被告の過失として認定されるかが焦点となるだろう」と述べた。
桂田精一(62)社長、運航管理者を業務上過失致死罪で告発され、12日初公判が始まった。知床半島斜里町沖のオホーツク海で2022年4月23日に起きた事故で20人が犠牲となり今も6人の行方がわかっていない。「KAZUⅠ〈カズワン〉」(19トン)に乗っていた船長54、甲板員27、および24名の乗客が同船で出航した。
午前10時ごろに出発し、知床岬付近まで航行し戻る約3時間のコースだったが午後1時すぎから、連絡が相次ぎまもなく途絶えた。事故調査報告書は船首甲板のハッチが確実に閉まらない状態で出航したと主張しており、波と風が強まる悪天候下ではハッチが開き、流れ込んだ海水でエンジンが停止したことを指摘した。
安全管理体制にも問題があったことや、天候の悪化を予想していない中での出航判断や通信設備の不備なども指摘された。「外海で操船した経験がない」という関係者の証言も記した。
旅客船の海難事故では多くの場合操船にあたる船長や航海士が責任を問われるが、桂田社長が過失責任を問われるのは初めてとなる。「異例の裁判」に多くの注目を集めている。
「多数の犠牲者が出た重大事案であり、世間の注目度が高く遺族の処罰感情も強いことから経営者の責任も問われる」と松村房弁護士は指摘する。桂田社長の管理監督責任を注目点に挙げて「事故調査報告書などでは、安全管理体制の不備などの面で被告の過失が多く指摘されている。管理監督責任を裁判所がいかに判断するかがポイントだ」と述べた。
海難事故の法関係に詳しい大塚裕史神戸大名誉教授は「経験の浅い船長が操船した船が沈没し、多くの犠牲者が出た。安全管理に責任があった桂田社長が航行中に事務所におらず、船と連絡が取れなかった。そのような状況をつくり、危険を回避できなかったことが被告の過失として認定されるかが焦点となるだろう」と述べた。