<知床事故の公判 運航会社社長の過失>
今週、釧路地裁で「KAZUⅠ(カズワン)」小型観光船が沈没し、乗客26人全員が死亡する悲劇の公判が始まった。運航会社社長桂田精一被告の刑事裁判は、この事故の真実を明らかにしたい。
被告が事故の可能性を予見できたか、回避する義務があったかという вопросが争点となっている。弁護側は初公判で「事故は予见できず、無罪だと主張」している。検察側と弁護側が対立する構図となり、裁判の結果はどちらかかの一方を責めなければならない。
被告が事故の可能性を予見できたのに「運航の中止などを指示せず、過失が認められる」としたのは、強風・波浪注意報が出て会社の運航基準を上回る風と波が予想されていたものの、過失が認められることとなった。
一方、弁護側は甲板のハッチのふたが閉まらなかったのに国側が事故3日前の検査で合格にしたと説明し、「沈没はハッチの不具合によって生じ「予見できなかった」と反論している。
事故原因を出航判断と船の不具合のどちらとみるかが裁判のポイントとなりそうだ。
弁護側は、出航前に船長が「荒れる前に引き返す」と言ったのを被告は「途中で引き返す」意味と理解したとし、最も長い知床岬コースを取ったのは船長の独断だとも主張している。
死亡した船長をはじめ、現場の目撃証言が得られない中で、真実に迫る公判とすることが求められる。運輸関連事故で運転や操船に携わらなかった経営者などが刑事責任を問われるのは異例だ。
桂田被告は経営者であり、安全全般に責任を負う安全統括管理者と運航管理者だった。その職責をどう捉えるかも裁判の行方を左右するだろう。
今週、釧路地裁で「KAZUⅠ(カズワン)」小型観光船が沈没し、乗客26人全員が死亡する悲劇の公判が始まった。運航会社社長桂田精一被告の刑事裁判は、この事故の真実を明らかにしたい。
被告が事故の可能性を予見できたか、回避する義務があったかという вопросが争点となっている。弁護側は初公判で「事故は予见できず、無罪だと主張」している。検察側と弁護側が対立する構図となり、裁判の結果はどちらかかの一方を責めなければならない。
被告が事故の可能性を予見できたのに「運航の中止などを指示せず、過失が認められる」としたのは、強風・波浪注意報が出て会社の運航基準を上回る風と波が予想されていたものの、過失が認められることとなった。
一方、弁護側は甲板のハッチのふたが閉まらなかったのに国側が事故3日前の検査で合格にしたと説明し、「沈没はハッチの不具合によって生じ「予見できなかった」と反論している。
事故原因を出航判断と船の不具合のどちらとみるかが裁判のポイントとなりそうだ。
弁護側は、出航前に船長が「荒れる前に引き返す」と言ったのを被告は「途中で引き返す」意味と理解したとし、最も長い知床岬コースを取ったのは船長の独断だとも主張している。
死亡した船長をはじめ、現場の目撃証言が得られない中で、真実に迫る公判とすることが求められる。運輸関連事故で運転や操船に携わらなかった経営者などが刑事責任を問われるのは異例だ。
桂田被告は経営者であり、安全全般に責任を負う安全統括管理者と運航管理者だった。その職責をどう捉えるかも裁判の行方を左右するだろう。