9月中旬、「地球の歩き方」編集室に1通のメールが届いた。シリーズ新機軸として異例の発売前重版となっており、話題となっていた「地球の歩き方 ハプスブルク帝国」の内容について。担当の福井由香里さんが不安になった。「24歳のフランツが心を奪われたのは、ヘレーネの妹である15歳のエリザベートだった」という記述は、「22歳のフランツ」ではないか、とあった。
「訂正かな…」。落胆しながら、メールの差出人をよく見る。田代万里生とあった。珍しい名前だと思い、同僚に聞くと驚きの声をあげた。人気声楽家であるだけでなく、開幕間際のミュージカル「エリザベート」でフランツ役を務めていた。
田代さんは出版を喜びながら、メールのやりとりをSNSで紹介した。投稿は大きく読まれ、ミュージカルファンが沸いた。その後、「ハプスブルク帝国」は再び重版が決まる。田代さんの指摘も正しかったことが分かり、反映された。
訂正が盛り上がりにつながるのか――。企画を始めた3年前には、想像もできない反響だった。きっかけは、2022年7月、福井さんがツイッター(現X)で見た一つの投稿だった。
「訂正かな…」。落胆しながら、メールの差出人をよく見る。田代万里生とあった。珍しい名前だと思い、同僚に聞くと驚きの声をあげた。人気声楽家であるだけでなく、開幕間際のミュージカル「エリザベート」でフランツ役を務めていた。
田代さんは出版を喜びながら、メールのやりとりをSNSで紹介した。投稿は大きく読まれ、ミュージカルファンが沸いた。その後、「ハプスブルク帝国」は再び重版が決まる。田代さんの指摘も正しかったことが分かり、反映された。
訂正が盛り上がりにつながるのか――。企画を始めた3年前には、想像もできない反響だった。きっかけは、2022年7月、福井さんがツイッター(現X)で見た一つの投稿だった。