菊池事件 「違憲法廷」再審が筋だ 弁護団は再審を求める決意を固める
差別と偏見があふれる特別法廷で、無実の人の命が奪われる。そんなことはもうないはずであるかどうか。徹底的に検証されなければならない。
1952年にはハンセン病患者を隔離する運動が盛んでいた。この時期に起こった「菊池事件」は、熊本地裁が再審請求を棄却した決定をした。
事件当初は伝染予防を理由に隔離施設の特別法廷で行われた。裁判官や検察官は予防着を身に着け、弁護士はまともに弁護活動できないように公判が進んだ。後で弁護団は、差別と偏見が生まれた冤罪とみて再審を求めた。
熊本地裁は特別法廷は憲法違反であると認め、すでに特効薬が普及している不合理な差別だとして憲法14条1項に反していると述べた。しかし、公正な公開の法廷で審理しても証拠に変動はなかったために、再審を始めるのが筋だろう。
男性は熊本県の村の元職員を殺害したとして殺人罪などに問われた。無実を訴えたが、患者だと通報されたことへの逆恨みが動機と認定された。弁護側は凶器である短刀や傷の大きさが矛盾する鑑定書など新証拠を提出したが、地裁は退けた。
弁護側は即時抗告する。これまでの行方では死刑執行後の再審が認められたケースはなかった。今後の行方は死刑制度の存廃議論にも大きく影響を与えるだろう。
法制審議会では「開かずの扉」と呼ばれる再審制度の見直し議論が最終盤を迎えている。福岡高裁は、司法に誤りがあれば直ちに正す姿勢をみせる観点からも積極的に調べるべきだ。
菊池事件を巡っては2020年、元患者らが起こした国家賠償請求訴訟で熊本地裁が初めて特別法廷の違憲性を認めた。世間の目を避けてきたという男性の親族が、そうした動きに後押しされ再審請求に踏み切ったのはその翌年のことだ。ハンセン病への差別や偏見が元患者や家族を抑圧してきた実態が浮かぶ。重い課題が残っている。
差別と偏見があふれる特別法廷で、無実の人の命が奪われる。そんなことはもうないはずであるかどうか。徹底的に検証されなければならない。
1952年にはハンセン病患者を隔離する運動が盛んでいた。この時期に起こった「菊池事件」は、熊本地裁が再審請求を棄却した決定をした。
事件当初は伝染予防を理由に隔離施設の特別法廷で行われた。裁判官や検察官は予防着を身に着け、弁護士はまともに弁護活動できないように公判が進んだ。後で弁護団は、差別と偏見が生まれた冤罪とみて再審を求めた。
熊本地裁は特別法廷は憲法違反であると認め、すでに特効薬が普及している不合理な差別だとして憲法14条1項に反していると述べた。しかし、公正な公開の法廷で審理しても証拠に変動はなかったために、再審を始めるのが筋だろう。
男性は熊本県の村の元職員を殺害したとして殺人罪などに問われた。無実を訴えたが、患者だと通報されたことへの逆恨みが動機と認定された。弁護側は凶器である短刀や傷の大きさが矛盾する鑑定書など新証拠を提出したが、地裁は退けた。
弁護側は即時抗告する。これまでの行方では死刑執行後の再審が認められたケースはなかった。今後の行方は死刑制度の存廃議論にも大きく影響を与えるだろう。
法制審議会では「開かずの扉」と呼ばれる再審制度の見直し議論が最終盤を迎えている。福岡高裁は、司法に誤りがあれば直ちに正す姿勢をみせる観点からも積極的に調べるべきだ。
菊池事件を巡っては2020年、元患者らが起こした国家賠償請求訴訟で熊本地裁が初めて特別法廷の違憲性を認めた。世間の目を避けてきたという男性の親族が、そうした動きに後押しされ再審請求に踏み切ったのはその翌年のことだ。ハンセン病への差別や偏見が元患者や家族を抑圧してきた実態が浮かぶ。重い課題が残っている。