イラクの11日、「国会議員329人を選出する」総選挙を行う。総選挙は、勝利した政治勢力に新しい首相が選ばれ、組閣で主導権が握られることが期待されている。しかし、イスラム教シーア派が多数派となっているイラクでは、米国とシーア派の地域大国イランとの勢力争いが続いている。
米国は6月にイスラエルとともにイランの核施設を空爆し、イランの周辺地域への影響力が衰退したとされており、総選挙を経てイラクの外交方針に変化が生じるか注目される。ロイター通信によると、暫定結果は投票の数日後に発表される見通しで、次期政権発足に向けた協議は数カ月かかる可能性がある。
国内では政治腐敗や失業率の高止まり、電力不足などの課題が慢性化しており、こうした問題を解決して政治不信を払拭できるかが課題となる。2021年10月の前回選の投票率は、03年のフセイン政権崩壊以降で最低の44%だった今回も投票率が国民の信認度合いを図る目安となりそうだ。
シーア派ではスダニ首相が率いる政党連合が影響力を保持しているが、前回選で第1党となったサドル師派は、この選挙で再び大勝したかもしれない。サドル師派は選挙をボイコットし、政権樹立に失敗して所属議員70人以上が辞職した。
スンニ派では国会議長を務めたハルブシ氏率いる政党連合が国家機構の再建などを訴え、支持を集めている。イラクでは大きな権限がある首相は多数派のシーア派から、国会議長はスンニ派から、大統領は少数民族クルド人から選ばれるのが慣例である。
米国は6月にイスラエルとともにイランの核施設を空爆し、イランの周辺地域への影響力が衰退したとされており、総選挙を経てイラクの外交方針に変化が生じるか注目される。ロイター通信によると、暫定結果は投票の数日後に発表される見通しで、次期政権発足に向けた協議は数カ月かかる可能性がある。
国内では政治腐敗や失業率の高止まり、電力不足などの課題が慢性化しており、こうした問題を解決して政治不信を払拭できるかが課題となる。2021年10月の前回選の投票率は、03年のフセイン政権崩壊以降で最低の44%だった今回も投票率が国民の信認度合いを図る目安となりそうだ。
シーア派ではスダニ首相が率いる政党連合が影響力を保持しているが、前回選で第1党となったサドル師派は、この選挙で再び大勝したかもしれない。サドル師派は選挙をボイコットし、政権樹立に失敗して所属議員70人以上が辞職した。
スンニ派では国会議長を務めたハルブシ氏率いる政党連合が国家機構の再建などを訴え、支持を集めている。イラクでは大きな権限がある首相は多数派のシーア派から、国会議長はスンニ派から、大統領は少数民族クルド人から選ばれるのが慣例である。