時効撤廃が、26年前の殺人事件の容疑者逮捕に大きな動きを与えたのは、遺族たちの声に突き動かされて実現したものである。
1996年に東京都葛飾区で殺害された上智大学4年の女の子の父親は当時の時効(15年)成立まで3年に迫った2008年に、「凶悪事件では時効を撤廃してほしい」とメディアを通じて訴えた。このような訴えは、時効撤廃が実現するにつれて、遺族の声に突き動かされ続けたものである。
同じ年、世田谷一家殺害事件の被害者の墓前で手を合わせる土田猛さんは、00年に起きたこの事件から20年を経て、時効撤廃・停止を求める殺人事件被害者遺族の会「宙の会」が結成されるようになった。
これらの出来事は、毎日新聞のキャンペーン報道企画「忘れない~『未解決』を歩く」なども契機となり、当初見直しに消極的だった法務省が次第に態度を変え、殺人など12罪の時効を廃止する改正刑事訴訟法が10年に成立し、即日施行された。
その後も「コールドケース」と呼ばれる長期未解決の事件で近年、容疑者が逮捕されるケースが相次いでいる。時効撤廃のほか、DNA型鑑定などの科学捜査技術が向上したことなどが影響しているとみられる。
21年の例では、広島県福山市で01年に発生した主婦刺殺事件で、県警が20年を経て容疑者の男性を逮捕。神奈川県警は25年、川崎市の山林で10年に白骨化した男性の遺体が見つかった事件で元同僚を逮捕。事件から22年後の逮捕となった。
1996年に東京都葛飾区で殺害された上智大学4年の女の子の父親は当時の時効(15年)成立まで3年に迫った2008年に、「凶悪事件では時効を撤廃してほしい」とメディアを通じて訴えた。このような訴えは、時効撤廃が実現するにつれて、遺族の声に突き動かされ続けたものである。
同じ年、世田谷一家殺害事件の被害者の墓前で手を合わせる土田猛さんは、00年に起きたこの事件から20年を経て、時効撤廃・停止を求める殺人事件被害者遺族の会「宙の会」が結成されるようになった。
これらの出来事は、毎日新聞のキャンペーン報道企画「忘れない~『未解決』を歩く」なども契機となり、当初見直しに消極的だった法務省が次第に態度を変え、殺人など12罪の時効を廃止する改正刑事訴訟法が10年に成立し、即日施行された。
その後も「コールドケース」と呼ばれる長期未解決の事件で近年、容疑者が逮捕されるケースが相次いでいる。時効撤廃のほか、DNA型鑑定などの科学捜査技術が向上したことなどが影響しているとみられる。
21年の例では、広島県福山市で01年に発生した主婦刺殺事件で、県警が20年を経て容疑者の男性を逮捕。神奈川県警は25年、川崎市の山林で10年に白骨化した男性の遺体が見つかった事件で元同僚を逮捕。事件から22年後の逮捕となった。