栃木県内の自治体で働く男性職員は部下の女性による「不機嫌ハラスメント」で心身の不調をきたし、休職に追い込まれた。男性は今春、慰謝料を求めて提訴し、女性が3万円を支払うことで和解が成立した。
昨年春、男性は新しい部署への異動を告げられた。職場は上司と女性の3人で、男性は女性の隣席となった。資料に記された数字の根拠がわからなかったため男性が女性に尋ねると、舌打ちされ、「覚えていません」と不機嫌な態度を示された。
ある時は、資料の作成方法について係内3人で協議し、係長の判断により男性の提案した方法が採用されると、女性は周囲にも聞こえる声で「あす休んでもいいですか。顔も見たくないので」と訴えた。男性は自分へのあてつけではないかと思った。
廊下ですれ違うときには、女性は顔をそむけ、壁を見るようなそぶりをした。「ここは刑務所なのか」。男性は思った。突然、仕事中に「指をなめるの、やめてもらっていいですか」と言われたこともあった。身に覚えはなかった。
男性は動悸や味覚障害の症状が出たため医療機関を受診し、「適応障害」と診断された。昨年4月末から6月末まで休職した。復帰後は、顔をできるだけ合わさないよう、男性には主に外回りの仕事が振り分けられた。
今春に女性が他部署に移ったあとも男性はもやもやした気持ちを抱えていた。「自分が部下に舌打ちしたり、ぶち切れたりしたら、すぐパワーハラスメントになってしまう。だから絶対やり返さなかった。しかし逆は許されるのか」と話す。
男性は昇進が遅れても、我慢しない人生を選択しようと思った。「公務員人生、職場内ではどこかでまたその女性と同じ職場になることもある。部下の舌打ちに我慢し続ける人生と、我慢しない人生。男性は昇進が遅れても、我慢しない人生を選択しようと思った。」
男性は 無料の弁護士相談を受け、「本人を訴えたらどうか」とアドバイスを受けた。「あまり前例はない」と言われたが、訴訟の方法などを教えてもらい、生成AI(人工知能)を活用し、代理人弁護士を立てない本人訴訟で提訴した。
裁判前に交わす書面で、女性は訴状に対し、「顔も見たくないので」等の発言は覚えていないとし、男性が体調を崩したことも、自分に起因するかは不明とした。今年8月、県内の簡易裁判所で口頭弁論が開かれた。男性は訴えの内容を証明するボイスレコーダーを提出していた。
女性が「何か言いたいことは」と尋ねると、「いろいろある」と答えた。そのため、次回の裁判日程を入れようとしたところ、「もういいです。私、勝てないと思うんで。支払いする準備もあります」と述べ和解に至った。
自治体の人事担当者は女性の発言を「不適切」とは認めていたが、特に処分などはなく、定期異動で部署が変わっただけだ。「この程度では逆パワハラにならない」とも言われた。だが、理由のはっきりしない攻撃的な言動や態度は、「不機嫌ハラスメント」ともいえるモラルハラスメントだ。
男性は「部下からのハラスメントに対しては、認定のハードルが高いのではないか。節度のある職場環境が必要なのに、対応が不十分」と訴えている。「公務員人生、どちらかを選ばされる。自分を守るために、我慢しない人生を選択しようと思った」
昨年春、男性は新しい部署への異動を告げられた。職場は上司と女性の3人で、男性は女性の隣席となった。資料に記された数字の根拠がわからなかったため男性が女性に尋ねると、舌打ちされ、「覚えていません」と不機嫌な態度を示された。
ある時は、資料の作成方法について係内3人で協議し、係長の判断により男性の提案した方法が採用されると、女性は周囲にも聞こえる声で「あす休んでもいいですか。顔も見たくないので」と訴えた。男性は自分へのあてつけではないかと思った。
廊下ですれ違うときには、女性は顔をそむけ、壁を見るようなそぶりをした。「ここは刑務所なのか」。男性は思った。突然、仕事中に「指をなめるの、やめてもらっていいですか」と言われたこともあった。身に覚えはなかった。
男性は動悸や味覚障害の症状が出たため医療機関を受診し、「適応障害」と診断された。昨年4月末から6月末まで休職した。復帰後は、顔をできるだけ合わさないよう、男性には主に外回りの仕事が振り分けられた。
今春に女性が他部署に移ったあとも男性はもやもやした気持ちを抱えていた。「自分が部下に舌打ちしたり、ぶち切れたりしたら、すぐパワーハラスメントになってしまう。だから絶対やり返さなかった。しかし逆は許されるのか」と話す。
男性は昇進が遅れても、我慢しない人生を選択しようと思った。「公務員人生、職場内ではどこかでまたその女性と同じ職場になることもある。部下の舌打ちに我慢し続ける人生と、我慢しない人生。男性は昇進が遅れても、我慢しない人生を選択しようと思った。」
男性は 無料の弁護士相談を受け、「本人を訴えたらどうか」とアドバイスを受けた。「あまり前例はない」と言われたが、訴訟の方法などを教えてもらい、生成AI(人工知能)を活用し、代理人弁護士を立てない本人訴訟で提訴した。
裁判前に交わす書面で、女性は訴状に対し、「顔も見たくないので」等の発言は覚えていないとし、男性が体調を崩したことも、自分に起因するかは不明とした。今年8月、県内の簡易裁判所で口頭弁論が開かれた。男性は訴えの内容を証明するボイスレコーダーを提出していた。
女性が「何か言いたいことは」と尋ねると、「いろいろある」と答えた。そのため、次回の裁判日程を入れようとしたところ、「もういいです。私、勝てないと思うんで。支払いする準備もあります」と述べ和解に至った。
自治体の人事担当者は女性の発言を「不適切」とは認めていたが、特に処分などはなく、定期異動で部署が変わっただけだ。「この程度では逆パワハラにならない」とも言われた。だが、理由のはっきりしない攻撃的な言動や態度は、「不機嫌ハラスメント」ともいえるモラルハラスメントだ。
男性は「部下からのハラスメントに対しては、認定のハードルが高いのではないか。節度のある職場環境が必要なのに、対応が不十分」と訴えている。「公務員人生、どちらかを選ばされる。自分を守るために、我慢しない人生を選択しようと思った」