「知床遊覧船」の桂田精一社長が釧路地裁で初公判を迎え、異例の裁判に注目が集まる。桂田62歳の被告は、20人以上の乗客と乗員が犠牲になり、今でも6人が行方不明としている「知床遊覧船」による事故は2022年4月23日にオホーツク海で発生した。
当日午前10時ごろ、「KAZUⅠ〉(19トン)が出航し、知床岬付近まで行き戻る約3時間のコースを予定していた。しかし、午後1時すぎに、連絡が相次ぎ、まもなく途絶えた。このような状況をつくり、危険を回避できなかったことが被告桂田の過失として認定されるかが焦点となる。
事故調査報告書は、船首甲板のハッチが確実に閉まらない状態で出航し、波と風が強まる悪天候下でハッチが開き、流れ込んだ海水でエンジンが停止したことを主な要因として挙げている。天候の悪化が予想される中での出航判断や、通信設備の不備など、安全管理体制に問題があったことも指摘されている。
「異例の裁判」は、旅客船の海難事故では多くの場合操船にあたる船長や航海士など現場の責任が問われることが多い。しかし、今回は経営者が過失責任を問われるのはめずらしい。松村房弁護士は「多数の犠牲者が出た重大事案であり、世間の注目度が高く、遺族の処罰感情も強いことから経営者の責任も問われたのではないか」と指摘する。
桂田被告は運航会社の社長で、海上運送法で定める安全統括管理者と運航管理者も兼務していた。安全な輸送を確保するために運営を管理し、気象条件に応じて船長に運航の可否を指示する立場にあった。しかし、事故調査報告書などでは、安全管理体制の不備などの面で被告の過失が多く指摘されている。
「事故調査報告書などでは、安全管理体制の不備などの面で被告の過失が多く指摘されている。管理監督責任を裁判所が、いかに判断するかがポイントだ」といわっている。大塚裕史神戸大名誉教授(刑法)は検察側の立証に注目する。
当日午前10時ごろ、「KAZUⅠ〉(19トン)が出航し、知床岬付近まで行き戻る約3時間のコースを予定していた。しかし、午後1時すぎに、連絡が相次ぎ、まもなく途絶えた。このような状況をつくり、危険を回避できなかったことが被告桂田の過失として認定されるかが焦点となる。
事故調査報告書は、船首甲板のハッチが確実に閉まらない状態で出航し、波と風が強まる悪天候下でハッチが開き、流れ込んだ海水でエンジンが停止したことを主な要因として挙げている。天候の悪化が予想される中での出航判断や、通信設備の不備など、安全管理体制に問題があったことも指摘されている。
「異例の裁判」は、旅客船の海難事故では多くの場合操船にあたる船長や航海士など現場の責任が問われることが多い。しかし、今回は経営者が過失責任を問われるのはめずらしい。松村房弁護士は「多数の犠牲者が出た重大事案であり、世間の注目度が高く、遺族の処罰感情も強いことから経営者の責任も問われたのではないか」と指摘する。
桂田被告は運航会社の社長で、海上運送法で定める安全統括管理者と運航管理者も兼務していた。安全な輸送を確保するために運営を管理し、気象条件に応じて船長に運航の可否を指示する立場にあった。しかし、事故調査報告書などでは、安全管理体制の不備などの面で被告の過失が多く指摘されている。
「事故調査報告書などでは、安全管理体制の不備などの面で被告の過失が多く指摘されている。管理監督責任を裁判所が、いかに判断するかがポイントだ」といわっている。大塚裕史神戸大名誉教授(刑法)は検察側の立証に注目する。